SLIDER

みんなどこへいったのだろう?

愛してる 恋してる

そんなことを口走っていなくなった

みんなのこと ずっと探していた
いつだって どこだって ずっとずっと探し続けていた

しかも、みんないなくなってしまったけれど
君もまでも一緒にいなくなってしまったではないか

みんなが別れ際に言っていたことはよく分からないけれど
少なくともぼくはみんなを、そして君を愛していて恋していた

そんなことを想いつづけて
ずっとずっと探し続けていた

にもかかわらず

やっと見つけた君たちは、そして君さえも
ぼくに精一杯の罵声を浴びせて、またいなくなってしまったではないか

なんということだろう

お前がいるからみんな幸せになれないのだと
ぼくがいるから自分は幸せになれないのだと

つまりそんなことを言って
気が付けばまたみんないなくなっていた

もう一度、もう一度だけでも会いたい、
もう一度だけでも一緒にいたい、
そんな願いさえかなわないのだろうか

そんな時、やっぱり君だけは戻って来てくれた

ニッコリ微笑んでぼくの方を見ると

また会えたねと

でも本当は会わずに済ませたかったと

お願いだからもう追いかけてこないでと

そう言うと

また元来たみんな方へ走って戻って行った

ぼくはたまらず走って追いかける
もう手放さない、折角ここまで来たんだもの

このチャンスを逃しちゃいけない

ぼくはそう思い、必死で追いかけた
その差は次第に縮まり、あと少しで

君に追いつこうとしたその時

ぼくは見てしまったのだった
君が目指す先のみんなの元から注がれる、憧れと羨望の眼差しを

そしてその視線の先にいるのがぼくなんじゃないかということを

その瞬間、君は立ち止まりぼくの方を振り返った

君はいつだって笑顔だ

ぼくも立ち止まる

もしかしたらこの笑顔を
ぼくは追い求めていたのかも知れない

そして、

ぼくはようやく君を抱きしめることが出来た

長かった、本当に長かった
どのくらい、この瞬間を待ちわびただろうか

いつも、どんなときも、ずっとずっと想い続けていた、
この再会の瞬間が、それが今、ここにある

ついに見つけた、君を、みんなを

そしてぼくはようやく言うことが出来た

さようなら

と。

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