愛する洞窟

洞窟はロンダルキアの洞窟を愛している。今ではテレビゲームもほとんどやらなくなってしまって寂しい限りなのだけど、かつてドラゴンクエストが社会現象まで巻き起こして大ヒットしていた頃、私も例外なくその現象に巻き込まれていったのでした、巻き込まれていったと言うか自ら渦の中に飛び込んで行ったのではあるのだけど。

そのドラゴンクエストの第2作目の最後の敵、の本拠地へと通じる洞窟がロンダルキアの洞窟なのです。ちなみに今見えている画像はロンダルキアの洞窟の入り口を書いたもの、なのです。

ドラゴンクエストのようなゲームの洞窟というのは、往々にして体力無いよー、もう死ぬーとか思いつつどんどん出てくる敵を頑張って倒しながら出口を目指すのが常なのですが、このロンダルキアの洞窟、本当いやらしいのです。ただでさえ死ぬーとか思ってるのに、至る所に落とし穴があって、そこに落ちると腐った死体という敵が尋常ではない程に出て来て、限られた体力が確実に奪われていくのです。そんなところに何度も落とされてしまうのです、本当嫌になります。やったことのある人なら分かると思うのだけど、落とし穴がありすぎなのです、さらに落とし穴以上に腐った死体はもっといすぎなのです、もうお前らどこでそんなに繁殖してるんだ!!、というくらい出てきて、腐った死体自体はそんなに強い敵じゃないのだけれど、とにかく量が多くて大変ななのです、レベルが低いとまずここで死んでしまいます、嫌になる程死んでしまいます。それで落とし穴には落ち、腐った死体には殺され、とその繰り返しで、初めてロンダルキアの洞窟に行ったときはいくらたっても先に進めないのです。その内なんとなく分かって来て進めるようになるのだけれど。もう頭に来てファミコン本体に物理的制裁を加えることもしばしばなのでした。本当。実際、ファミコンの全面に謎の傷を多数持っている人?いるでしょう?

でもそんな忌まわしい洞窟も、今となっては愛おしい洞窟になっているのです。忌まわしい洞窟だったんのだけど、忌まわしい洞窟だったからこそ洞窟を抜けた時の感動は格別のものがあったのです。本当に出口にたどり着けたんだ!!とこの洞窟を抜けた時には、小学生ながらかなりの感動を覚えたものです。アメリカ人ならたぶん"I did it!!"とか言って歓喜の声を挙げている場面なのです。きっと。それに洞窟を抜けて初めて目にした真っ白な、新しい世界に、なんて綺麗なんだろう、と感動した覚えもあります。当時のグラッフィックだから本当に綺麗なはずは無いのだけれど、綺麗だったのです。私の記憶の中では今でもそれはそれはもう、絶景。今でも。

当時はかなり腹立たしい洞窟だったのだけど、今思い出すとそんなロンダルキアの思い出と一緒に、小学生時代の色んな思い出も昨日のことのように蘇えって来て、そんなロンダルキアの洞窟が私は大好きなのです。

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