幻の世界

ぼくらの幻は消え去って
いつもと同じ毎日が戻って来る

いつもいつも、ぼくらは幻を追い求めていたけど、
いざその幻に辿り着いたら、ぼくらは幻を失ってしまった

そもそもぼくらが探していた幻とはなんだったのか
そもそも幻なんてやっぱり幻でしかなかったんじゃないのか

確かにぼくらは幻を手に入れた
それは明確に確実にしっかりと
ぼくらの手の中にあった

ぼくらは追い求めていた幻を手に入れて
もしかしたら本当に幸せになれるかも知れないと思った

だけどやっぱりそんなことは無かった

手に入れた幻は、
いつの間にか消え去ってしまった

しっかりと両手で握りしめることが出来るくらいに
確かにぼくらは幻を手に入れたのだけど

その幻はもうぼくらの手の中にはない

別に幻がどこかへ行ってしまったわけじゃあない
ぼくらが手に入れた幻は今だって、ぼくらの手の中に
ちゃんとあるんだ

だけど、その幻は、もうぼくらにとって
幻じゃあなくなってしまったんだ

幻を手に入れるまでは
幻に近づきたくて近づきたくて仕方がなかったけれど

今となっては、

もしかしたら幻なんか手に入れようと
したのは間違いだったのかも知れないなんて、

もししたら幻なんか手に入れなければ良かった
のかも知れないなんて、

思ってしまう

けれど、やっぱりぼくらは幻を手に入れて良かったのだと思う
きっと、幻を手に入れられただけ、ぼくたちは幸せなんだ

例えその結果追い求めた幻が消え去ってしまったとしても
ぼくらは幸せに違いないのだと思う

幻を手に入れることが出来たのに
幻を失ってしまったことを嘆くなんて

それこそ幻じゃないのか

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